皆さんは、ネクタイにカビを生やしたことはありますか?
先日、クローゼットの奥にしまい込んでいたネクタイを取り出したら、どうもカビ臭い。よく見ると、白いカビが生えていました。
普段ならクリーニングに出してしまうのですが、以前呉服屋に聞いた、シルク素材のカビを応急的に取る方法を思い出しましたので、実践してみることに。意外と効果的かもしれません……。
1.ネクタイはカビが生えやすい
衣服の中でも汚れやすい
ネクタイは、常に口の真下にあります。そのため、僅かな食べかすや唾液などが、知らないうちに付着することが多いのです。
また、首回りの汗を吸ったり、汚れた手で締めたり緩めたりと、ネクタイは結構汚れやすいアイテムなんです。
汚れたまま収納すると……
そして、汚れに気づかないまま、風通しの悪いクローゼットに仕舞っておくと、高確率でカビが発生します。
さらに、発生したカビは他のネクタイやベルト、温度湿度によっては他の衣服まで繁殖させてしまうのです。
今回カビが生えた原因
今回カビが生えた数本のネクタイは、収納時には食べこぼしなど全く見当たりませんでした。
しかし、3ヶ月程度クローゼットに仕舞いっぱなしにしていたところ、ほんの僅かな範囲ですが、カビが生えてしまいました。
目に見えない食べこぼしや汚れが、風通しも悪く湿気が溜まりやすい環境の中で、カビを生やしてしまったのだとおもいます。
2.和服ではカビ取りにベロアを使う
ネクタイのクリーニングは簡単ではない
ネクタイは、生地の美しさ、ハリやコシが命です。そして、素材はシルク。そのため、自宅での水洗いはできませんから、本来であればクリーニングに出すべきアイテムです。
しかし、ネクタイのクリーニングは、よほど腕が良いところでないと風合いが失われてしまうことがあります。(そのままのプレスが難しいためです。高級店では、わざわざ縫製をほどいてからプレスをすることも。)
呉服屋に聞いた応急処置
僅かなカビで、これを全てクリーニングに出すのか……と落ち込んでいたところ、以前呉服屋に聞いた、和服におけるカビの応急処置について思い出しました。
絹100%の和服も、ネクタイ同様、カビが生えやすいアイテムです。そして、頻繁に洗うことも出来ません。
そこで和服では、ベロアの生地をブラシ代わりにして、カビをとるのだそうです。
最初に聞いたときは「本当にこれで取れるの?」と半信半疑でした。しかし、親戚にその話をしたところ、「昔の家には、タンスの中にベロアの小さなクッションが1つは入っていた」というエピソードを聞き、これ使えるかも……となりました。
ベロアの巾着を買う
しかし、いざ「ベロアのクッション」を買おうとしても、見当たりません。
そこで、アクセサリー入れとしてAmazonで安く売られていたベロアの袋(500円程度でした)を購入、代替することにしました。
紺色のベロアの袋で、表面を拡大すると無数の起毛がわかります。これが果たしてカビを取ってくれるのでしょうか……。
3.ネクタイのカビ取りを実践
1本目(阪急メンズ オリジナル)
一つはこちら。うっすらとしたカビなのでよく分からないですよね。
そんなときは、上からLEDライトを当てるとよく分かります。
これはひどい……^^;
このネクタイは阪急メンズ館のオリジナルタイ。えび茶色でどのスーツにも合わせやすいことから、一時期ヘビーローテーションをしていました。
ベロアの袋に手を入れ、優しく払うように擦ると……
すごい! 綺麗になりました!
指やティッシュで擦っても全く落ちなかった(単にすり込むだけなので、真似しないで下さいね)のに、簡単に落とす事ができました。
2本目(Cesare Attoliniのセッテピエゲ)
2本目は、イタリアのチェーザレアットリーニのセッテピエゲ(表地のみで縫われたネクタイ)です。
場所が分かりづらいので附箋を貼りました。
白いカビが付いているのがわかります。
どうでしょうか。若干跡が分かるか、分からないかと言った感じでしょうか? 柔らかく毛羽立ちやすい生地なので、難儀しました。
とはいえ、LEDを消すと全く跡は目立ちませんね。
3本目(Andrew Elliotのウールタイ)
シルクには強力な効果がありそう……ということで、3つめは、ウール100%のネクタイで試して見ます。
附箋の先に白く見えるのがカビです。(すこし分かりづらいですね……。)
とはいえ、Afterの写真と見比べると、断然綺麗になったのが分かります。
4本目~
4本目以降は流れ作業でやっていきます。(何本カビさせたんだ! というツッコミは無しで^^;)
↓ ↓ ↓
もらい物のArmaniのネクタイ。凄く柔らかい生地で傷めそう……ということで、これが限界です。(附箋の上の部分は、織り柄になっていてカビているわけではありません。)
↓ ↓ ↓
こういう、固めの生地に、薄くカビたタイプは一番効果を発揮します。2回くらい拭っただけで簡単に取れました。
↓ ↓ ↓
一方、柔らかい生地は取りにくかったです。(優しく何回もなでて上げると取れます。)
また、食べこぼしや泥汚れなどで硬くなっている場合は、事前にツメなどで擦ってからで無いと取れません。
4.実践してみての感想
最後に、実践してみての感想を。思ったより良く、そして手軽に落ちるというのが第一印象でした。
例えば、「ネクタイを締めたあとに、よく見てみるとカビに気づいた。が、外出まで時間が無い……」という状況でも、10秒程度で対処できそうです。
酷いカビであればクリーニング等の根本的な対処が必要になるでしょう。ただ、冒頭書いたとおり、ネクタイのクリーニングはリスクが伴いますし、また金銭的な負担にもなります。
当然、カビさせないことが第一です。しかし、万一カビてしまったらまずはベロアで落としてみて、それでもダメだったらクリーニングという流れがよいと感じました。
みなさんはネクタイをカビさせたことありますか? そんなときにどの様に対処していますか?
もし宜しければ、コメントをお願いします!