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土井縫工所のシャツ フォトレビュー2:ディテールを見る

投稿日:平成23年(2011) 4月10日  更新日:平成24年(2012) 6月15日 

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土井縫工所製シャツの生地タグ

土井縫工所製シャツのレビュー、2回目の今回はディテールについて見ていきたいと思います。
ディテールと言っても、マニア受けするために無理矢理作ったようなディテールではなく、
思わずニヤリとしてしまうような物が多いのが特徴です。

■ボタン

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白蝶貝のボタンです。
高級シャツの定番である、分厚いボタンでないため、少々残念です。
しかし、よく見てみると、普通のボタンと違うことがよく分かります。

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こちらがアップの写真。
スーツで使用される、「二重たらい」のボタンなのが分かりますか?
また、日本やイタリアで用いられる10mmのボタンではなく、イギリス製によく見られる11mmボタンが使用されています。
止めやすい上に、ノーネクタイ時に白蝶貝&二重たらいの美しさが目立つと思います。

※但し、大きく、さらに加工されていることから、クリーニングのプレス時に損傷することが心配です。
※Shichilie(私)はクリーニングに出すことが多いので、もし損傷が早い場合はここでご報告しようと思います。

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スペアボタンは紙製の袋に、カラーステイ(衿のカールを防ぐ取り外し可能な芯)と共に入っています。
服に縫い付けられていないこと、剣ボロ/衿用の小ボタンも一緒に入っているのは高ポイントです。

■衿(えり)

_MG_1634.jpg(再掲)
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比較的綺麗な衿です。勿論、安シャツに見られるような直線の裁断もありません。
前回のレビューで書いたように、普通のシャツより一回り大きな、今時の衿です。
ヨーク部分もきちんと柄がそろえられています。

■袖1(そで)

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立体裁断され、先端に向かって小さくなっています。
ボタンサイズや衿の大きさから、
(イギリス系に良くある)剣ボロのボタンがないのではと心配したのですが、ちゃんとありました^^;

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剣ボロの拡大図です。
細かい運針と、柄が綺麗にそろえられているのが分かります。
国内縫製にこだわるのは、正解の様です。

■袖2(カフ)

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面白いギミックがありました。
一見何の変哲もないコンバーチブルカフ(ボタンでも、カフリンクスでも使えるカフ)なのですが……

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なんと、完全にボタンを隠すことが出来るのです。
(※ボタンを出した状態でクリーニングに出したので、プレス跡がついてしまっています。)
ボタンはどうなっているかというと……

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この様に、ボタンは裏側にかつ長めの"足"で縫い付けられていて、
表裏出入り自由な状態になっているわけです。
これによってどんなメリットがあるかというと……

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実際にカフリンクスをつけたときに……

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裏側にボタンと止め金具が混在するという、恥ずかしい(?)状態を防ぐことが出来るのです。
コンバーチブルを追求したカフになっている、というわけですね。


次回は着心地と、「良いところ」「悪いところ」をまとめてみたいと思います。

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みなさんこんにちは。Shichilieです。
世の中自粛に次ぐ自粛。
「自粛をする」って、「自粛」(自ら進んで行動を慎むこと)の意味を知らないようです。

勿論、大規模停電回避のための必要な省電なら良いのですが、電力がたりている時間帯にも消灯してみたり、
そんな状況でも消灯/節電しないと「ぜいたくは敵だ」「非国民」と後ろ指を指されたり、
挙げ句の果てには電力事情の全く関係ない西日本で節電/消灯したり……

世の中も、そしてファッションも、
日本人は附和雷同(主義主張が無く、回りに流されること)に過ぎるのではないでしょうか。

「みんな一緒でみんな良い」

基本に忠実なのは結構ですが、その上での個性がなければ、ファッションは成り立たないのです。
この大いなる矛盾を抱えた「自粛」の「逆らえない雰囲気」が、
日本の経済と、日本国の将来によからぬ影響を与えないか、凄く心配です……。

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