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麻シャツのすすめ

投稿日:平成27年(2015) 8月2日  (更新:平成28年6月12日)

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酷暑が続いていますが、皆さんはオフィスでどの様な服装をしていますか……? 私の働く業界は、服装に関してあまり制約が無いので、真夏のオフィスワークでは上着を着用しない人が多く、シャツがジャケットやタイに代わる上半身の主役になっています。

今日は、軽装が許される業界/業種の方向けに、夏に快適で見栄えに優れる麻のシャツにフォーカスして、麻のシャツの素晴らしさや、ビジネス用途での選び方などを考えたいと思います。

(私の場合、真夏の麻シャツ率は8割を越えています。また、6月以降購入するシャツのほぼ全てが麻製という状況です。皆さんにもこの麻シャツの<特に非カジュアル、非リゾート用としての>良さが伝われば……と思い記事にしました。)

 



1.麻シャツで涼しく

まずは、麻シャツのいったい何が良いの? 綿と何が違うの? と言う話から。

風通しによる体感の涼しさ

一つ目に風通しの良さが挙げられます。綿のシャツは生地の目が詰まっており、シャツの中に溜まった熱気が籠もりやすく、汗で湿度も高いままです。いくらSEEKやAirRismと言った機能性下着を着ていても、これでは意味がありません。

一方、麻のシャツは生地の目が粗いため、少し風が吹くだけで、シャツの中から熱と湿気を効率よく逃がすことが出来ます。また、生地に張りがあるため、風通しがさらに良くなります。機能性下着の性能を最大限引き出すことの出来るシャツ素材と言えるでしょう。

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吸水性による体感の涼しさ

二つ目が吸水性です。汗をかいたとき、シャツが汗を吸収出来る素材で無いと、シャツの内側が汗でべたついてしまいます。麻の公定水分率は、ポリエステルの0.4%、綿の8.5%に比べ12.0%と高く、高い吸湿/給水性によって快適さを保ちやすくなります。

見た目の涼しさ

ただでさえ暑いのに、近くにセーターやマフラーを着込んで汗をダラダラ流している人が居たら不快ですし、格好良くないですよね。ファッションにおける「涼しさ」は、体感だけで無く見た目の涼しさも重要です。麻はその透け感やザックリとした生地感から、さらに夏素材としてのアイコン性から、とても涼しげに見えます。

 

2.麻シャツで見た目も美しく

麻のシャツは涼しいだけでは無く、見た目にも優れていることが特徴です。そして、そのキーワードがハリ、シャリ、そしてシャンブレーです。

ハリ

ハリは麻特有の堅さから来る物です。少し大げさですが、ただのシャツがまるでジャケットの様に見えることもあります。このハリによって、シャツ一枚であっても見栄えを損ないません。下着の様に柔らかさが求められる綿素材とは対極的ですね。

シャリ

シャリは、麻生地表面の質感によって生まれます。綿には無い、荒く不揃いでザックリとした質感が、生地としての適度な自己主張になります。さらに、上質な麻生地になると光沢も生まれ、慶事の盛装としても使えるほどです(この場合はジャケットのインナーとして)。

シャンブレー

シャンブレーは、縦糸と横糸にそれぞれ違う色の糸を使って織った布のことで、麻素材に限る物ではありません。しかし、生地の質感が表情豊かになり、麻素材にとても相性の良く、特にジャケットを羽織らない単品使いとしてオススメの織りです。

また、繰り返し洗濯しても、麻の弱点である色落ちが目立たないと言うメリットもあります。

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3.麻シャツを選ぶ

ビジネス用とカジュアル用

大事なのが、自分が買おうとしているのがビジネス用なのか、カジュアル用なのかを区別することです。特に麻シャツはリゾート用としても活躍するため、一般的な衣料品店ではカジュアル用途のシャツが多い傾向にあります。

ビジネス用として利用できるシャツのポイントは、以下の通りです。

  1. カラーステイが入っている(又は襟の芯地が堅い)
    襟がだらしないと、全体がだらしなく見えてしまいます。逆に、シワになりやすい麻素材のシャツであっても、襟さえしっかりしていれば、きちんとして見えます。
  2. 余計な装飾が入っていない
    ボタンの糸色がカラフル、裏地が派手な別布、余計な刺繍、ボタンの数が多い など
  3. タックインが前提の造り
    カジュアル用の中には、裾だしが前提の、着丈が短い物が有ります。

 

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▲ ビジネスに使える麻シャツの一例。襟の芯地が堅く、カラーステイも装着可能でビジネス用途を意識した造りになっている。

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▲ カジュアル/リゾート用途の一例。襟の芯地は無く、柔らかさを強調した造りになっている。

難しいサイズ選び

麻シャツには、サイズ選びが難しいというハードルもあります。この「サイズ選び」には2つの意味があって、一つはSMLなどの3サイズ展開しかないものが多いと言う事と、もう一つは洗うと縮んでしまうと言うことです。

まずはサイズ展開の話。3サイズ展開でも、自分に合う物が有ればよいのですが、ジャケットを着ない前提とすると、ジャストサイズを狙うべきでしょう。首回りはcm単位で選べ、袖丈も複数サイズ展開がある物から選ぶと良いと思います。

たとえば袖丈について、普通はボタンの位置を変えることである程度何とかなるのですが、ジャケットが無いと腕の布余りが見えてしまい、格好の良い物ではありません。

もう一つは洗うと縮んでしまうこと。これも袖丈が問題になることが多く、物にもよりますが買ったときより1~2cm位は平気で縮んでしまいます。既製品を購入するときはもちろん、オーダーの際も、選んだ素材がどのくらい縮む物かを店員に確認します。

混紡素材

麻100%だと、衿型がビジネス用でもどうしても砕けた雰囲気になる……という場合は、綿との混紡素材を選ぶという手もあります。中にはポリエステルとの混紡素材もあり、自分の職場環境やライフスタイルに合った素材のシャツを手に入れてみて下さい。

 

4.最近買った麻のシャツ

今季も、実店舗/ネット問わず複数店で購入またはオーダーしました。今回はそのなかからネットでも買える物を中心に、特徴的な物をいくつかご紹介します。

土井縫工所

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土井縫工所のパターンオーダーで注文しました。価格は\10,800。品番はLH2452。ジャケットありでもなしでもOKなシルエットです。土井縫工所の衿型は本当に綺麗ですね。

First Experience

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First Experienceで注文しました。綿67%、麻33%の混紡生地です。GRANDI & Rubinelliの、清涼感ある薄手の生地(GR18235-00003)で、価格は\13,000でした。そこまで麻の主張が強くないので、色々なジャケットと合わせやすいです。

カミチャニスタ

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カミチャニスタで注文しました。写真で分かりますが、襟に芯地が無く、明らかにカジュアル用途です。製品名が「WDLN-O-1016-1/L」で、\5,000でした。残念ながら、現在品切れのようです。

山喜(STYLE WORKS)

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前回、株主優待ネタでご紹介した山喜のシャツです。糸色ボタンや別布の裏地など、少しカジュアル寄りです。詳しくは当該記事をご覧ください

こうやって改めて見てみると、青のシャツばかりですね……^^; 白も選んでいるはずなのですが、単品づかいとしては、こちらの方が使い勝手が良いのかも知れません。

 

5.まとめ

麻のシャツは――

  • 風通しと吸水性に優れ涼しい
  • 見た目にも涼しい
  • ハリとシャリ感があって単品でも見栄えが良い
  • 特に、シャンブレーの生地は単品使いに向く
  • ビジネス用途には襟が堅く、シンプルでタックインできる物を選ぶ
  • 素材が縮みやすく、サイズ選びに注意

 



(番外)ジャケットを脱ぐことについて

数年前まで、会社は公共の場であってシャツは下着であるからと、かたくなにジャケットを羽織りタイドアップしていました。しかし、近頃考えが変わり、真夏で客先訪問が無い時には、社内ではジャケットを脱いでいます。これはスーパークールビズ等の会社方針でも何でも無く、私個人の考えが変わったことに由来しています。

サラリーマンの服選びは、自分の欲求が50%、周囲への溶け込みが50%という風に、バランスが大事だと思うようになってきました。どういうことかというと、半分は自分のスタイルを貫いて着たい物を着るのですが、周辺環境に自分がどう溶け込んでいるかというのも、ファッションとして同じくらい重要だと感じるようになったと言うことです。(都市計画と似ていますね……。)

休日の雑踏ならば良いですが、平日の会社で自分の着たい物だけを着るのは、それが私を含む服好きの世界では正統であったとしても、「サラリーマンのファッション」としては少し違う気がしています。一方で、みんなと同じ格好を綺麗に着こなせば良いという姿勢は、没個性で、そこには自分の思いが何も無く、ファッションでも何でも無いと思います。

周囲が半袖のシャツにうちわをパタパタさせている中で、一人ジャケット+ネクタイで汗がにじんでいるというのは、サラリーマンのファッションとして自分に相応しいのか。そう考えたとき、周囲に溶け込みつつも、譲れないところは譲らず、自分なりのお洒落を楽しむという方針に転換しました。(この転換が、今回のエントリーにも繋がっています。)

どこまで自分を出してどこから周囲に同調するかは、業界、職種、人の個性によって様々だと思いますし、賛否の分かれる所でしょう。服好きの、特に私を含めクラシック系が好きな方なら一度は悩んだことがありそうな話題ですが、皆さんはどう思いますか?

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