シャツの第1ボタンを開けた状態でタイドアップ(ネクタイを締めている)している方を結構な頻度で見かけます。
私としては、絶対にそのような着方はしませんし、他人にも推奨しません。
本日はなぜ第1ボタンを閉めるべきなのかを考えます。
1.第1ボタンが開いていると、なぜだらしないのか
タイドアップしたVゾーンの美しさには、「4つの三角形」が大きくかかわっています。
1つめは「シャツの首廻り」2つめは「シャツの襟羽根」(下図。)
3つめと4つめは「ネクタイのノット」(結び目)です(下図)。
このうち、第1ボタンが開いただけで、2つの三角形が崩壊してしまい、間延びして見えてしまうのです。
ネクタイを緩く結ぶと、ネクタイの三角形が台形(たくあん型)となってだらしなく見えますが、これと同じことがシャツの襟でも発生するのです。
2.ネクタイをきっちり締めただけではダメ?
いや、ネクタイをきっちり閉めれば、ボタンそのものを閉めなくても分からないのでは? と思われた方もいるでしょう。
しかし、その状態で鏡を見て下さい。実際には、シャツ襟部分が台形になってしまうのがよく分かります。
それどころか、首の動きに合わせてネクタイのノットが緩むため、ネクタイがずり落ちてしまうのです。こうなってしまうと、「第1ボタンが緩んでいるだらしなさ」どころではありません。
開いたシャツ襟の圧力に耐えきれず、ネクタイまで緩み、3つめと4つめの三角形崩壊にも繋がります。
極端な話ではありますが、ネクタイがずり落ちている状態で客先に出るくらいなら、ノーネクタイの方がマシです。
それくらい、だらしのない状態になります。
3.(結論)第1ボタンが閉められないシャツは買い換えよう
こうも、タイドアップしているのに第1ボタンが閉められない人が多いのには理由があるはずです。
おそらく、次の3つに集約されると思います。
① 首がキツくて閉められない
まずは、サイズの合っていないシャツを着ていている場合です。
シャツのサイジングで最初にあわせる部分は首廻りです(その次が袖丈)。
つまり、首がキツくて第1ボタンを閉じられていないのは、サイジングで最も重要な部分をおさえられていないことになります。
買い換えましょう。
② キツいわけでは無いが、閉じると不快
サイズは合っているが、閉じると不快だという方も一定数います。
単に首に服が当たっているのが嫌、という場合は致し方有りませんが、蒸れたり汗をかいてかゆくなるのが嫌、という方には対策がありますのでご紹介します。
ベビーパウダーを塗る
これは結構有効で、かなり快適になります。私もあたたかい時期ににタイドアップする場合は、活用しています。
制汗剤でもよいですが、個人的にはベビーパウダーのほうが快適です。
化繊のシャツをやめる
化繊は蒸れることが多いほか、触れるだけで肌荒れの原因になります。
ノーアイロン/イージーケアシャツを愛用の方は難しいかも知れませんが、できれば綿100%、汗かきの方は麻が入っているとなお良いと思います。
また、オーダーシャツをしている方は、店によっては首廻り(内側)だけ別布を使うことが出来ます。全体はノーアイロン/イージーケアの化繊を、首廻りだけ天然繊維にする、という方法も良いと思います。
③ なんとなく、面倒だから閉めない
身も蓋もありませんが、閉めるのを習慣にしましょう。
惰性でどんなシーンにもネクタイをしている状態なら、繰り返しになりますがノーネクタイにした方が、まだマシです。イマドキなら、ネクタイをしていなくてもだらしなく見られないでしょう。
4.おわりに
昨今、ビジネスの場ではネクタイをしないことも多くなりました。
そんなネクタイを強制されていない状況下にあって、第1ボタンを開けたまま、だらしなくネクタイを締めているのであれば、むしろノーネクタイの方が良いでしょう。
顧客訪問においてもスーツ+ネクタイが少なくなった昨今、この組み合わせが「好きで着るもの」または「自身を演出するために着る衣装」だとすると、だらしなく着ることは自らをだらしない人だと演出するに等しいと思うのですが、皆さんはどう感じますか?