スーツだと堅苦しいけど、完全なカジュアルウェアだとだらしない……。
そんなときにオススメなのが、ジャケット/パンツスタイル――通称「ジャケパン」です。
今回は、主にジャケパンにあまりなじみのない方向けに、ビジネスシーンでジャケパンを取り入れる際のTitpsをご紹介します。
また、休日のジャケパンスタイルと、ビジネスでのジャケパンスタイルの違いも、対比しつつ考えます。
1.まずは紺色のジャケット×グレイのズボンを
ジャケパンのコーディネートで、最も鉄板と言えるのが「紺色のジャケット」×「グレイのズボン」の組み合わせ。
そして、この王道ペアは、もっとも基本的で、かつビジネス寄りのコーディネートとも言えます。もし、あなたがジャケパンを持っていないのであれば、最初に手に入れるべきセットです。
すでにこのセットを持っている場合は、紺色のジャケットを少し明るくしたり、無地ではなく柄(チェックなど)を入れたりすると良いでしょう。
ビジネス面での効果
この組み合わせは、相手に誠実な印象を与えます。
個人的な経験で恐縮ですが、私の職場に出入りしていた優秀な営業マンは、どの会社も、ジャケパンの場合総じてこの組み合わせでした^^;
なんだか爽やかな感じがするんですよね。
私は週末のオフ用として、深緑、茶、水色、生成り(薄ベージュ)等、様々なジャケットを活用していますが、これらは、ビジネス向けとしてはかなりカジュアルな印象になりますので、紺ジャケの次のステップとして挑戦すると良いでしょう。
また、一見扱いやすそうな黒やグレイのジャケットも、ズボンとのコーディネートが難しいので、中~上級者向きです。
2.ズボンはクリースつきを
カジュアルシーンでジャケパンを着こなしてきた人に陥りがちなのが、クリース(ズボンの正面と背面に左右1本ずつ入るプレス線)の無いズボンを履いてしまうことです。
ビジネス用のジャケパンにあっては、まずはクリースつきのズボンをあわせた方が良いです。特に、綿のズボン(いわゆる綿パン/チノパン)をビジネス用として使いたい場合は、クリースを入れた方が良いでしょう。
ビジネス面での効果
クリースは、ズボンがしっかりプレスされていることを示すものです。そして、シワの無いプレスされた衣類は、端正さや清潔さを表します。
実際に衣料品店に行くと、ビジネス向けのズボンにはほとんどクリースが、逆にカジュアルなズボンにはクリース無しが多いです。
また、クリースが入ることで別のシワが目立たなくなりますし、アイロンやズボンプレッサーでの手入れもし易くなります。
3.ノーネクタイならボタンダウンシャツを
スーツのノーネクタイは格好が悪いですが、ジャケパンのノーネクタイはアリだと思っています。
しかし、気をつけたいのはシャツの襟です。
このような、スーツ/ジャケット用として販売されているシャツの大部分は、ネクタイの着用を前提としています。(レギュラーカラーやワイドカラー)
したがって、ネクタイを外すと、シャツの襟が自重やジャケットの襟に潰されて、見た目が悪くなります。
その際にオススメなのがボタンダウンカラーのシャツです。ボタンダウンは、スポーツウェアを出自としてカジュアル/ドレスダウンなシャツ襟に分類されますが、ここでは襟がしっかり立ち、だらしない印象を防ぐことが重要です。
ただし、ビジネス用としては、できるだけプレーンなボタンダウンシャツをオススメします。つまり、二重襟とか、二重ボタンとか、目立つステッチ/ボタンが使われていない、上質なシャツを選ぶと良いです。
なお、ノーネクタイで開襟する場合、アンダーウェア(下着)は開いた襟から絶対に見えないように注意して下さい。女性を中心に大不評を買います^^; Uネックより、Vネックの方が良いでしょう。
参考
ビジネス面での効果
しっかり立った襟は端正さや清潔感に繋がります。一方で、不格好に寝たり変形したりしたシャツ襟は、だらしない印象を与えます。
せっかく完全なカジュアルウェアでは無く、真面目な印象を与えられるジャケットを羽織ったのに、逆にだらしない印象を与えてしまうのは本末転倒ですよね。
4.まずは暗めの茶靴を
もちろん、ジャケパンに黒色の革靴を用いても全く問題ありません。しかし、より簡単にコーディネートを完成させたいのであれば、暗めの茶靴がオススメです。
得てしてジャケパンは、スーツスタイルよりも全体が明るめな色使いになりますが、その際黒靴は、靴とズボンにコントラストがつきすぎる事があるからです。
また、茶靴であれば何でもいいわけでは無く、明るすぎるものはビジネス用途として汎用性が落ちます。
だいたい、靴クリームで「ブラウン」から「ダークブラウン」と書かれているものと同じくらいの色味がオススメです。
ビジネス面での効果
明るい茶靴はカジュアルのイメージが強く、落ち着きが無い雰囲気を出します。休日ならば開放的な雰囲気でとても良いのですが、暗めの茶靴であれば、より誠実で信頼感のある、落ち着いた印象を与えることができます。
また、周囲にスーツが多い場合にも、あまり浮いて見える事がありません。
5.靴とベルトの色を合わせる
統一感を出すため、ズボンのベルトも、靴に色をあわせます。
これはスーツスタイルと同じルールなのですが、ジャケパンではスーツ以上に靴とベルトの色が違う方を多く見かけます。
無理をして厳密に色味まで合わせる必要はありませんが、例えは茶靴にスーツ用の黒ベルトを合わせると思ったより目立つので注意して下さい。(特に、色の薄いズボンで顕著です。)
ビジネス面での効果
服装の統一感は、信頼感に繋がります。逆に、ちぐはぐさは、なんとなくの違和感に繋がります。
当然、茶靴に黒ベルト、または黒靴に茶ベルトを合わせたからといって、その人の能力が下がるデバフ(呪い)がかかるわけではありません。しかし、「人は見た目で判断してはいけない」というのは、多くの人が人を見た目で判断する現状の裏返しであり、ビジネス上はそういうレッテルは決して有利に働きません。
おわりに
今回は、普段あまりジャケパンを着ない方向けに、ビジネスでジャケパンを取り入れるTipsをご紹介しました。
とはいえ、私自身は「ファッションは、他人に迷惑を掛けない範囲で、自分が着たい物を着れば良い」という考えです。
上記の5点含め、世間的に言われていることはあくまで参考程度に、それらに拘泥すること無くジャケパンを楽しんでもらえればと思います。
また、みなさんがジャケパンをビジネスに活用する上で気をつけていることや、思う事がありましたら、ぜひコメントからお寄せ下さい。ビジネスにジャケパンなんかけしからん! というご意見も大歓迎です^^;