先日職場で「冬になると、スマホの指紋認証が手荒れで機能しなくなる」「男性も指紋認証のために手荒れをケアする時代が来た」という話で盛り上がりました。
言われてみると、私の勤務先でハンドケアをしているのは大抵女性。男性社員はこういった機能面の問題が出なければ、話題にすらしなかったでしょう。しかも男性におけるスキンケア系の話は、やれ女々しいだの、意識高い系だのといった批判もつきまといます。
しかし、我々ビジネスマンは、自身の手で名刺交換し、自社の製品を説明し(サービスの場合は使って見せ)、契約成立の折には握手をするわけで、もっと注目されても良いのでは? とも感じます。
ということで今回は、ビジネスマンの冬場における手荒れケアを考えてみます。
(おことわり1)白状すると、実は私も昔は乾燥による手荒れが酷かった時期がありました。そのため、改善策についてはこれまで私が体験したトライアンドエラーの中から、効果があったものを中心にご紹介したいと思います(医療系ネタは本サイトの専門外ですので、あくまで体験談としてご覧下さい)。
(おことわり2)皮膚炎や湿疹(しっしん)等の疾患による手荒れについては、こんな記事を読んでいないで、医療機関ですぐに治療してください。
手荒れの何がいけない?
当然の話ではありますが、一応手荒れがもたらすデメリットについて、ファッションや身だしなみという視点から整理しておきます(痛いとか、感染症云々という話は除きます)。
「冬場は手が荒れるもの」「手荒れは働く男の勲章」という硬派な方も、是非ご一読下さい。
見た目上の問題
冒頭で述べたとおり、手は、思った以上に他人に見られているパーツです。
ビジネスシーンにおいても、名刺交換、筆記、説明、案内といった、様々な動作で手は見られています。
(人間、とりわけ男性は動く物を目で追いかける習性があると言います。打合せやプレゼンテーションのシーンにおいて、相手に思いを伝えるために動かすその手は、まさに追いかけられるものの代表格でしょう。)
そんな手が、放置され荒れ放題になっているのは、靴が汚かったり、スーツがほつれていたりするのと似た様な印象を与えます。
ファッションアイテムを傷める
見過ごされがちですが、ファッションアイテムを傷める問題もあります。
代表格がシルクのネクタイです。ささくれだった手で扱うと、簡単に傷みます。(実際、私も乾燥を放置していた時代に、サテンのシルクタイを何本か傷めています……^^;)
他にも、マフラーやニット、手袋のインナーなど、軟らかくデリケートなカシミア素材でも同様な問題が起きます。
それでは、続いて手荒れの改善策について考えてみます。
保湿する
乾燥によるダメージを防ぐには、革靴と同様に保湿が重要です。
こまめにハンドクリームを塗る
一番簡単なのが、こまめにハンドクリームを塗ること。
特に、この時期はかぜ予防でこまめに手を洗うことが増えると思いますが、洗う都度クリームをつけるようにしています。
(靴に例えると、ステインリムーバーやサドルソープを使った後、デリケートクリームを塗らなかったらどうなるか……想像できると思います。)
高いブランドのハンドクリームを使わずとも、まずは数百円の安い物で十分です。
私がオフィスで普段使っているのは、塗った直後に事務作業ができるヴァセリンハンドアンドネイルですが、出先でも簡単に塗れるよう、メンソレータム(やメンターム)の小さな缶も鞄に常備しています。
寝る前の保湿+手袋
私が劇的に改善したのがこれです。
日中、ハンドクリームを塗りすぎるとベタベタして業務に支障が出ますよね。
そこで、夜寝る前に手にたっぷりとハンドクリームを塗り、綿の作業用手袋をしたまま寝ます(寝具が汚れるのと、保湿を助けるために)。
これを1週間程度繰り返していたら、指先のひび割れがほぼ無くなりました。(今でも、ヤバいと思ったら定期的にこれをしています。)
ロート製薬の「ハンドベール ビューティー プレミアムリッチモイスト」の様な、就寝中専用のハンドクリームもありますが、無ければニベア青缶等のオーソドックスな物でも十分効果はあります。
保護する
保湿と並行して、手が荒れない/傷つかない対策も必要です。
手袋の活用
冬のファッションアイテムとして重要な手袋。実は、実用面でもとてもオススメです。
手袋を利用する事で、乾燥はもちろん、ささくれなどの外傷も予防できるからです。
特に、ウールやカシミアのライナーがついた手袋は、極寒&乾燥の野外でも暖かくかつ保湿してくれます。
また、事務所内の軽作業(物品の移動、段ボール箱の開梱、椅子並べ等)においては、極力作業用の手袋(軍手で十分です)を使うようにし、手を保護します。
靴の手入れにも手袋を
靴のケアをしていると、汚れ落としの溶剤が皮膚を痛めたり、爪の中に靴墨が入ったり、その靴墨を落とそうと長時間手洗いをしたりと、思った以上に手を酷使します。
そのため、靴磨きをするときは、使い捨てのニトリル手袋をするようにしています。
コツとして、少し小さめのサイズを選ぶとヒモ通しなどの細かい作業が楽になります。
(番外)逆むけを撃退しよう!
乾燥が進むと出来やすいのが指の逆むけ。私もずいぶんと悩まされたのですが、ニッパーと液体絆創膏で大幅に改善したので、ご紹介します。
通常、逆むけやささくれができると、ムケた部分を引っ張って取ろうとする方が多いと思いますが、これは皮膚にもっと大きなダメージを与える可能性があるため絶対にNG。
また、放置したとしても、ムケた部分が衣服などと擦れて、さらに深い部分までムケてしまうことも。
ニッパーを使う
ニッパーは、文字通り切断する道具ですが、工具ではなくスキンケア専用のニッパーがあります。
ムケた部分の根本をニッパーでカットすることで、抵抗が減ってそれ以上ムケが進行しにくくなります。(スキンケア用のはさみもありますが、より皮膚に近い部分からカットできるので、ニッパーの方が逆むけが再発しにくいです。)
傷が深い場合は、絆創膏も併用すると良いでしょう。
液体絆創膏を使う
また、液体絆創膏(サカムケアなど)を使って、ムケた部分を覆ってしまうのも手です(私はニッパーと併用していました)。
液体絆創膏とは、透明の液体を塗って1分程度乾燥させると、固まって患部を覆ってくれるものです(第3類医薬品として、薬局に売っています)。
塗った瞬間はしみますが、以降は水に濡れても染みなくなりますし、ある程度弾力性があるため動いても取れにくく、通常の絆創膏よりも治りが早かったです。
私はこれが切っ掛けで、自宅と職場に液体絆創膏を常備するようになりました^^;
まとめ
ビジネスマンは清潔感が重要です。
頭髪、顔(髭)、シャツ、スーツ、靴、鞄等の手入れはこれまで多く語られてきましたが、「手」も清潔感の大事な構成要素です。
加えて、乾燥した手は、デリケートなファッションアイテムを扱う際も、傷つけてしまう要因になります。
そこで、革靴と同様、自身の手も保湿剤を活用し手入れをすることが重要です。手袋で保護することも効果的でしょう。
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スキンケアネタは原因と有効な対策に個人差がある上、単なる乾燥による手荒れではなく疾患だったりという問題もあるため、今まで触れてきませんでした。
これからも当サイトで扱うことは少ないと思いますが、これまでの私の試行錯誤がみなさんの参考になればと思い記事にしてみました。
お役に立てましたら幸いです。
参考
爪の問題については、以前記事で取り上げました。
今日の記事では割愛した、爪の表面をピカピカにすることの是非等についても言及していますので、興味のある方はご覧下さい。
お詫び:来週の更新は出張のためお休みします。