紺色のソリッドタイ
エルメネジルド・ゼニア製
前回、ネクタイは色や柄で選ぶ前にまずその幅で選ぶことを考えました。その中で、ジャケットのラペル幅とネクタイの大剣幅をそろえることで、端正なイメージを出すことが出来るということがわかりました。
さて、今回はラペル幅とネクタイの大剣幅の関係を理解した上で、一歩進んだネクタイの色合わせを考えてみようと思います。
ただし、この話は少し奥が深いです。カラーコーディネータという職業が有るくらい、色あわせは難しいからです。従って、本項目では本サイトで言う「スーツの壁」にあたった人向けに、「難しいカラーコーディネートに悩まされずにネクタイを選ぶ方法」を考えてみようと思います。
非常に簡単な方法なので、是非お試し下さい。
(但し、色やコーディネートの知識のある方には当然で、退屈な内容だと思いますが^^;)
(STEP1)とにかく色を合わせる!
貴方のシャツは何色ですか?
貴方のスーツは何色ですか?
この2つを考えるだけでネクタイの色を決めることが出来ます。
答えは簡単。この2つ、何れかの色のうち、同系色を選べばよい(失敗がない)のです。
たとえば水色のシャツや紺色のスーツであれば紺色のネクタイを、クリーム色や茶のスーツならば焦げ茶のネクタイを、と言ったところです。では、グレーやブラックのスーツはどうなるでしょうか。
答えは簡単。灰色や黒に色はない(=黒の濃淡であるため)ので、シャツに合わせるか、シャツが白ならば何色でもOKです。
(STEP2)濃淡を考える!
←【濃い】 スーツ > ネクタイ > シャツ 【薄い】→
この濃淡の組み合わせが鉄板です。
このパターンであれば、全て同じ色――たとえば濃紺のスーツに紺のネクタイ、水色のシャツなどが素晴らしく綺麗に見えます。石原慎太郎氏の様に、「チャコールグレーのスーツにシルバーのネクタイ、ホワイトのシャツ」といった組み合わせでもOKです。
(STEP3)シルバーをうまく使う!
先ほど、グレーやブラックに色はないと書きました。ではシルバーのネクタイ(=色のないネクタイ)はどうなのでしょうか。答えは簡単。色ではないのでほとんどのスーツやシャツに合わせることが可能です。
勿論、シルバーはドレッシーな印象になりすぎる感もあります。そこで、少し色(ドットや小紋)の入った物を使うと、かしこまった印象を避けることが出来ます。逆に、ちょっとしたパーティーに、シルバーのタイをつけていくだけで、華やかな雰囲気を出すことが可能です。
あまり色を考えなくて良いので「夜にパーティーがあり、出かけた先で交換する」と言うときなどに重宝しそうです。
シルバー(グレイ)の小紋タイ
kiton製
■まとめ
以下、「スーツの壁」に当たった方向けの、ネクタイを色で選ぶ際のまとめです。
- スーツかシャツどちらか(あるいは両方)と必ず色を合わせる
- [濃い] スーツ > ネクタイ > シャツ [薄い] になるよう選ぶ
- ネクタイは「紺色」か「シルバー」の汎用性が高い(特に前者)
今回はこの3つでOKです。早速試してみてくださいね。尚、紺色に汎用性が高い理由は、我々の着るスーツやシャツで色のある物には青系統が多いからです。(水色のシャツや紺色のスーツなど)
服飾に於ける色あわせでさらに知りたい方は、以下のキーワードでググってみて下さい。今回ご紹介した方法が、さらに深く理解できるようになると思います。
[カマイユ配色、トーンオントーン]
いずれ、本サイトでも詳しくご紹介したいのですが、まずは簡単なところをご紹介しました。次回は(たぶん)最終回。「ネクタイを柄で選ぶ」です。