買ったときはノリノリだけど、後から考えてみると壮大な失敗/無駄遣いだった……。そんな経験はありませんか?
買い物をするときは、一種のハイ状態になっていることもあり、冷静な判断が付きづらいこともしばしば。それが、自分の好きなジャンルだったらなおらさです。
今回は、もしできることなら過去の自分を全力で制止したい、無駄遣いを5つ選んでご紹介します。
私と同じ過ちを繰り返さないよう参考になりましたら、また一緒に笑って下さいましたら幸いです。。。
1.初めてのオーダースーツで、張り切って高い生地やオプションを選ぶ
私がオーダースーツを初めて(正確には、自分の稼いだお金で初めて)作ったのは、新卒入社1年目の時でした。
その際、せっかくのオーダースーツということで、張り切って高い舶来生地を選んだのです。
しかも、大切に着たいという思いから、三つ揃いにした上でスペアパンツまでつけることに。イージーオーダーでしたが、20万円程度したと思います(^^;
これは大きな失敗でした。
自分の理想とは異なるサイズ感(太もものワタリ幅が太い、ウェストコートとズボンまでの距離が短いなど)な上に、高級生地独特の光沢感が、着る場所を選ぶものになってしまいました。
その後5~6年は保有し続けましたが、結局着たのは十数回。クリーニング代も考えると、目も当てられない状況でした。
教訓
- オーダースーツといえども、初回と2回目くらいまでは、自身の満足がいくデザインやサイズ感が出来上がってこないものと覚悟しましょう。
- 従って、どの店でも少なくとも初回は、安価な生地で、オプション(スペアパンツなど)は最低限にしましょう。
- 慣れないうちは、緊張や興奮で出来上がり時フィッティングに際して正確な判断が出来ない事も。できれば、家族や友人にも来て貰いましょう。
- フィッティングで不満に思う事があったら、恥ずかしがらずに店に伝え、修正をお願いしましょう。
2.シャツやネクタイが高い割引率なら即買い
クリアランスセールは好きですか? 私は大好きです^^; しかし、セールの「割引き」は、時に人間から正常な思考を奪うもの。
例えば、通常2万円で売られている高級なネクタイ、しかも自分好みの色柄が、70%OFFの6千円で売られているのを見かけます。すると、「こいつは美しい!」「しかも1万4千円も得をした!」などとおかしな思考が頭を巡り、飛びついてしまいます。
よく考えてみると、自分好みの色柄故に、既に似た様なネクタイは何本も持っていますし、その店のネクタイは毎年その時期、同じ割引率で売られているのです。
つまり、既に持っているものを、さして珍しくない価格で購入して喜んでいたことになるのです。そうして、年に1回、ヘタをすると数年に1回しかつけないネクタイが大量に生まれていきます。
教訓
- 自身の持っているアイテムは常に把握し、購入時に思い出しましょう。
- 割引率が高いからと言って、割り引かれた金額分の幸せがもたらされるとは限りません。
- そのセールは毎期/毎年やっていませんか? 今必要で無ければ、今買わなくても、失うものは何もないはずです。
3.サイズを信じ、革靴を無試着ネット購入
革靴に慣れると、サイズ感はだいたい分かってくるものです。そのため、価格の安さに釣られてネットでも靴を購入するようになります。
最初はおっかなびっくりですが、意外とサイズ感はぴったり……。そんなことが続くと、だんだんと慢心していきます。
私が慢心しきっていた頃は、為替が異常な円高で、高級革靴の内外価格差が倍以上あった時期でした。
ある日、行きつけのサイトを眺めていると、某高級革靴Eのダブルモンクストラップが、新品B級品で半額になっていました。
元値が日本だと20万円弱。円高と代理店利益が無い関係でこれが定価10万円程度となり、さらにB級品の半額で5万円でした。
そのブランドの靴は、既に1足個人輸入しており、全く問題無かったこともあって、即購入。しかし到着してビックリ、まったく足に入らなかったのです。
理由は、「B級品」にありました。
その靴は、既製靴とほぼ同じデザインなのですが、日本の有名服飾評論家がオーダーしたものがなんらかの理由で本人の手には渡らず、B級品として流通していたのです(ご本人の名前がライナーに記入されていました^^;)。
つまり、サイズ表記的には私にあうものでしたが、ビスポークシューズ(デザインは既製品を流用)であったために、靴の木型が全く異なっていたのです。
モンクストラップシューズ(紐靴に比べてサイズ調整がしにくい)も災いしていたかも知れませんね。
教訓
- 個人輸入では十分に注意してポチりましょう。特に、返品が不可能なセール品には注意します。
- 同じメーカーでも木型が違えばサイズも異ります。
- 靴は試着しましょう。通販でも試着可能な店(Amazonなど)がオススメです。
4.色々なシューケアグッズを手当たり次第に、目移りして購入
靴に興味を持つと同時に手をつけるのが靴磨きです。
毎週末、お気に入りの靴を磨いていると、精神的に落ち着きますし、磨き終わった靴を見ると、嬉しい気持ちが湧いてきます。
しかし、「もっと靴に潤いが与えられるのでは?」とか「もっと輝くのでは?」とか、店頭に並ぶ様々なブランドの靴墨に目移りし始めたら要注意です。
私の場合、このサイトを運営しているという理由もありますが、結構な種類のシューケアグッズを手当たり次第に購入していた時期がありました。それこそ、靴の化粧箱が丸々2つ分全て靴墨、なんて状態に。
油性クリームであれば、揮発してどんどん硬くなっていきますし、乳化性クリームも高品質なものほど空気に触れたり寒暖差で劣化していきます。
定番の製品(モウブレイかサフィール、またはイングリッシュギルドあたり)をどれか一つ、靴の色に合わせて3色(黒、茶、無色)持っていれば十分です。
教訓
- シューケアグッズも劣化します。沼にハマる前に、使い切れる量を買いましょう。
- 靴磨きに振り回されていないか、時々振り返りましょう。
5.不摂生で体型を変化させる
30代前後になると、急に成長する(体重が増加する)方が多いですよね^^; 10代~20代前半の食べ方を続けていたり、残業続きで夕食と夜食の2回夜ご飯を食べていたり、運動しなくなったりなど、様々な理由があることでしょう。
一般的に健康面で語られることが多いですが、体重増加はファッションにおいても同様に大きなリスクになります。
私も、30歳までに徐々に体重が増加していき、入社数年で作ったオーダースーツがどんどんとキツくなっていきました。日々の手入れとか、クリーニングとか言っている場合ではありません。
幸い、最終的には危機感を覚え体重を落とせたため難を逃れましたが、数年間は本当に辛かった記憶があります。(服を大切にしていたぶん、着られなくなったことのショックが大きかったのです。)
ちなみに、私の友人は体重が15kg増え、持っていたスーツを全て捨てたとのこと。聞いていて悲しくなりました。
なお、マラソンで体重が落ちてブカブカになった例、ジムに通い始めてジャケットのボタンが留められなくなった例など、健康のためにスーツを犠牲にせざるを得ないというパターンもあり、難しいところです。
教訓
- スーツの手入れも大事ですが、自身の体型維持の方がもっと大事なことを認識しましょう。
- 健康や美のために体型を変化させる予定があれば、スーツの購入/オーダーは変化後まで待ちましょう。(とはいえ、言うは易く行うは難し……。)
おわりに
今回ご紹介したエピソードは、なんとしてでも避けたかったか、というと、実は3割くらいは良い経験であったかなぁ、と感じています。
1番目にご紹介した、使い勝手が悪く高かった三つ揃いを捨てるときは断腸の思いでしたが、そのエピソードがあったからこそ次は良い物にしよう、とか、ここに気をつける必要があるなどの知見を得られたからです。こうして記事にも出来ましたし^^;
……というのは、時間がある程度経ったから言えることなのかも知れませんが。
みなさんも、スーツスタイルの無駄遣いに関する失敗談はお持ちですか? 宜しければぜひコメントをお寄せ下さい。