前回は、長いベルトを短く修理した体験談をお伝えしましたが、今回は同じ工房で発注したパターンオーダーのベルトをレビューします。
1.注文した工房
今回利用したのは、前回の記事(以下参照)で紹介した「浅香ベルト」です。
詳しくは前回の記事をご覧戴きたいのですが、通常は4千円程度するベルトのサイズ調整を、2千円で請け負ってくれた工房です。
とはいえ修理が専門というわけではなく、普段は百貨店向けにベルトを製作・納品しているそうです。
製作例を見てみるとスーツ用のオーソドックスなものから、ロック歌手のステージ衣装っぽいものまで、豊富なラインナップがありました。
2.注文内容の検討
注文は簡単で、①ベルトの革、②バックル、③サイズを選ぶだけです。
①ベルトの革を選ぶ
今回は、涼しくなるこれからの季節用に、スエード靴に合わせるベルトを選ぶことにします。
サンプル郵送に対応
スエード靴ですから起毛革を合わせたいところです。
しかし、起毛革は色味はもちろん、テクスチャ感がPCやスマホのディスプレイ越しでは分かりづらいのが難点。
しかし幸い、浅香ベルトはサンプル革の郵送(無料)をしてくれるので、いくつか見繕って送って貰いました。
こちらがサンプル革です。
スエード革は在庫がなく、今回はヌバックから選ぶことにします。
※ なお、起毛革はいまのところ在庫限りとのことで、注文の際はご注意下さい。沢山要望があれば再入荷するとのことですが……。
茶とグレーのベルトを選ぶ
今回選んだのは、薄い茶色の80番と、グレーの65番です。
80番は似た様な革色のスエードに合わせるつもりですが、65は無彩色なのでカジュアル用途として紺や黒のスエードと合わせても良いですし、グレーのスニーカーに合わせても面白そうです。
なお、2つ以上購入すると送料が無料になります。
②バックルを選ぶ
つづいて、ベルトのバックルを選んでいきます。
ベルトの幅を決める
バックルは一覧から選ぶことが出来るのですが、まずは注文するベルト幅から決めた方が良いです。
一般的に紳士服のベルト幅は30mm前後ですが、今回はカジュアル用途なので、少し太めの33mmにします。(用途に加え、自身の身長も加味すると良いです。)
従って、33mm幅に対応するバックルから、用途に適したバックルを選んでいくことになります。
シミュレーター
実は、浅香ベルトの注文ページにはベルトとバックルのコーディネートを確認出来る簡易シミュレーターがあります。
こちらでベルトの柄を選んだ後、バックルに合わせたときの雰囲気を確認することが出来ます。
デザイン的にはやはり西暦2000年代前半のWEBサイトを彷彿とさせますが^^;(失礼)、意外と重宝します。
半ツヤ加工シルバーを選ぶ
今回は、きれいめなカジュアルを目指すので、2つとも半ツヤ加工シルバー(No.07)を選びました。
③サイズを決める
最後に、ベルトのサイズを決めます。長さとはバックルのピンから真ん中の穴までを差します。
ズボンの胴回りを測ってもよいのですが、既存でピッタリサイズのベルトがあるのであれば、そのサイズを直接メジャーで測った方が正確です。(穴が真ん中で無くとも、ピタリサイズの穴までを測ればOK。)
幅は、前項で決めてしまいましたが、33mmとしました。
(参考)穴はいくつにするか
本来は上記①~③で終わりなのですが、せっかくオーダーなので少し工夫をしたくなりました。
時計のベルトをオーダーする際に「自身のためのワンサイズ」のしるしで、穴を1つしかあけないというやり方があります。
今回はズボンのベルトですが、既製販売を前提とした5穴ではなく、1穴または3穴がいいのではと考えました。(なお、デザイン的に奇数の方が良いと思います。)
ただし、時計のベルトと違うのは、ズボンのベルトは食事の前後で大きさ(腹囲)も前後すること。
さすがに1穴では厳しいな……と思い、浅香ベルトの担当者に相談して、3穴にすることにしました。(この際も、担当者自身の体験談を交えつつ、親身にアドバイスをいただきました。ありがとうございます。)
3.注文内容の決定
今回注文した内容は以下の通りです。
仕様
ベルトその1(グレー)
- ベルト:No.65 ヌバックグレー
- バックル:No.07 半つや加工シルバー
- 幅:33mm
- 穴:3つ
ベルトその2(ブラウン)
- ベルト:No.80 ヌバックモカブラウン
- バックル、幅、穴:ベルトその1に同じ
金額と支払い
銀行振込(または郵便振替)での前払いが必要です。
基本料金6,480円に加え、カジュアル用に広めの幅としたためオプションが540円、またヌバックも有償オプション革なので追加で650円かかりました。
それでも合計で1本7,670円で、パターンオーダーとしてこの金額は激安です。
今回は2本製作して15,340円、ちなみに送料は2本以上で無料になります。
4.外観レビュー
ゆうパックで送られてきました。
前回記事の修理品と一緒に入っています。
丁寧にラッピングされていました。
バックル部分。ピンはツヤありですが、バックルの外側はつや消しというシックな仕様です。
留めたところ。穴は3穴を選んでいます。
なお、浅香ベルトでは、標準だと楕円の穴があきます。
楕円の方が、留めやすくまた高級感があるのですが……将来腹囲が変わり、自分で穴を開けたときに違和感がないよう、あえて丸穴にしてもらいました^^;
美しいヌバックです。スエードほど起毛しません。
上下のステッチも綺麗ですね。
裏側。豚革です。
コバ部分。
グレーのベルトも同一のデザインにしました。
5.使用感レビュー
今回は表革ヌバック/裏革豚革ということもあって、かなり軽いベルトに仕上がりましたが、つくりはしっかりしていてかなり高級感があります。
バックルもデザイン・加工共に良好で、肌に良くなじみます。
なにより、自分サイズにピタリと調整されているため、装着していてとても気持ちが良いです。この値段であれば、十分に買いだと感じました。
なお、ベルトを長持ちさせるため気持ち長めに作ったため、食事をする際にベルト穴を動かす必要はありませんでした^^;
6.おわりに
スーツスタイルにせよ、ジャケパンにせよ、はたまた完全なカジュアルにせよ、ベルトはズボンの良きコーディネートのパートナーですよね。
また、靴やカバンなどの革製品とも、気軽に組合せを楽しめるアイテムでもあります。
もし、「そういえばいつも同じベルトをつけているな……」と感じたら、ぜひ新しいベルトとのコーディネートに挑戦してみて下さい。
リンク