投資や資産形成と一緒で、スーツスタイルのパーツそれぞれにどれくらい投資したら良いのか。今回はスーツスタイルの「ポートフォリオ」を考えてみます。
何にいくら使うか
スーツスタイルのパーツはいくつかありますが、主な物は以下の通りです。
・背広上下(上着+トラウザーズ(ズボン))
・シャツ(いわゆるワイシャツ)
・ネクタイ
・下着(靴下+イギリス英語でのパンツ+アンダーシャツ※)
・靴
・ベルト
最初に結論から述べると、「スーツの壁」に初めて当たった方であれば、(おそらくツープライスの2万弱~3万台のスーツがほとんどでしょうから、)背広上下よりも靴にお金を掛けるべきです。
この中でもほぼ「リーガル(リンク先は公式通販サイト)」か「スコッチグレイン」をお薦めします。どれも2万円以上5万円以下の靴ですが、少なくともこれらを2足、出来れば3足以上用意することが重要です。
なぜ投資額が 靴>スーツ なのか
理由は簡単。ポートフォリオの配分基準が
「良い物を買う上での最低価格が、 靴>スーツだから」
「耐用年数を考えると、 靴>スーツだから」
「コストパフォーマンス考えると、 靴>スーツだから」
の3点です。
靴にはいくつか製法が有りますが、「まともな靴」と言える製法の物は残念ながら2万円弱からでないと購入出来ません。
この製法を「グッドイヤーウエルテッド製法」と言います。耐久性や歩行性に優れ、多くの高級靴(それこそ10万円を超える舶来品)もこれと同じ製法の物が多いです。
「なぜGYW製法なのか」について、詳しくはこちら スーツの壁 資料集1 |靴の製法 メリット・デメリット
1点目と2点目は以上のような理由から、2万円台以上の靴を推奨しています。従って、「ツープライスの1.9万円よりもお金を掛けるべき」という結論に至ります。また、3番目の理由から、高いスーツを推奨しません。
なぜスーツにお金を掛けないのか
最近では、いわゆる「ツープライス」系のスーツショップに行けば、そこそこの値段(1.9万円or2.9万円)で見栄えの良いスーツを販売しています。この値段を超えると、だいたい6万円を超えないと見栄えに違いがほとんど有りません。
少々乱暴に聞こえるので、言い換えますが、「ツープラスーツに4万円プラスして6万円スーツを買っても、4万円分の便益(利益)を得ることは出来ない」と言うことです。4万円足したところで、4万円分の満足は得られないのです。
それよりも、自分にあったサイズやスタイルのスーツをツープラスーツで見つけることが重要です。
しかし、靴につては3万円台になると見違えます。全然違います。シューキーパーを入れ、ブラッシングし、よく手入れすることが前提ですが、遠くから見ても安い靴とは革質が違うため一目瞭然です。
しかもGYW製法ならばソール交換することで10年以上持ちます。スーツは5シーズンを越えるとみすぼらしくなりますが、靴は逆に輝きを増すのです。
従って、「ツープラスーツ2着に2万円台の靴2足」がスーツの壁初心者の最低装備です。
なぜ2着・2足なのかというと、交互に休ませながら着用することで、毎日同じ物を来たときに比べ、ほぼ3着・3足分の耐久性が出るからです。
スーツはウール、靴は革といったように、天然成分で出来ています。これらは湿気をよく吸うため、着用後に人間の汗を大量に吸っています。
この水分を帯びた状態は型くずれや劣化を非常に起こしやすいため、交互に着用し乾燥させることで、耐久性をのばすことが出来ます。
まとめ
まとめると以下の通りです。
- スーツはツープライスの安い方で十分。一番コストパフォーマンスが高い。
- 靴はグッドイヤーウェルテッド製法で
- スーツも靴も2着/2足以上着回し、手入れを怠らないこと
→「スーツの壁」初心者は、スーツはツープラにし、靴によりお金をかける