サラリーマンのファッションを考える


「セブンプレミアム超形態安定100番双糸シャツ」を試す

     (更新:平成28年11月23日)

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9月17日に、セブンプレミアムから綿100%の(しかも100番双糸を謳った)ノーアイロンシャツが発売されました。

発売以降、テレビCMでかなり広告が打たれていたため、ご存知の方も多いのでは無いでしょうか。(テレビをあまり見ない私でも、何度か見かけました。)

公式サイトには「ノンアイロンでこの仕上がり」「100番双糸で柔らかな風合い」「50回洗濯でもヨレが最小限」など、綿100%ではイージーケア(少しアイロン掛けしてね、という意味)が多いなか、珍しい謳い文句が踊っていました。

ということで、早速購入してみましたので、レビューします。



1.製品情報

今回レビューの為に購入した製品は以下です。

  • 製品名:セブンプレミアム 超形態安定100番双糸セミワイドカラーシャツ
  • 材質:綿100%
  • 生産国:ラオス
  • 価格:\4,212(税込)
  • リンク:公式製品ページ(公式通販)
  • ラインナップ(衿型):レギュラーカラー、ワイドカラー、ボタンタウン (今回はワイドカラーを購入)
  • ラインナップ(色):ホワイト、ライトブルー、ストライプなど(今回はライトブルーを購入)
  • ラインナップ(サイズ):首回37~47センチ(各1センチごと)、裄丈最大5種類

従来からあった「セブンプレミアム超形態安定シャツ」(\2,900<税込>)の上級ラインとして、今回のシャツがラインナップされたようです。

1着4千円超という価格は、スーパーが販売するシャツとしては高額な部類です。はたして、どの様な仕上がりなのでしょうか。

製品名の「100番双糸」について

「100番」について:100番とは、糸の細さを表す「番手」のこと。数値が上がるほど細くなるので、生地も薄くなります。一般的に、高い番手ほど美しくしなやかですが、高価で耐久性は悪くなります。

140を超えると、テカりすぎるのと、耐久性が悪くなるので、ビジネス用途には向かなくなります。逆に、60を下回ると素材感が出すぎて、カジュアル向きになってきますので、使いやすいのは80~120くらいです。100番手より上なら上質などとも言われますが、メーカーによって品質は異なるので、鵜呑みは禁物です。

「双糸」について:双糸とは、生地を構成する糸に、2本の単糸を撚り合わせた糸が用いられていること。生地の密度が上がる、シャリ感が増す、耐久性が良くなるなどの効果があります。

2ply(プライ)などとも書きます。シャツ生地では見かけませんが、スーツの生地では3plyや4ply等もあります。なお、100番の双糸を「ひゃくそう」などとも言います。
H28.11.23追記:超高番手を中心に、シャツでも3plyや4plyの生地が出ているという指摘を戴きましたので訂正します。

 

2.外観レビュー(洗濯前)

今回はノンアイロンシャツということで、洗濯前後それぞれの状態を確認していこうと思います。まずは、洗濯前の外観レビューから。

① 到着~開梱

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この製品は、イトーヨーカ堂の実店舗か、「オムニ7」というイトーヨーカ堂のネット通販サイトからのみ購入可能です。

近所にヨーカ堂がないため、今回はオムニ7から購入。イマドキの通販にしては珍しく、注文から到着まで6日かかりました(営業日ベースでは4日)。

 

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箱を開けると、「i Press」という製品宣伝用のパンフレットが入っており、表紙と巻頭が本製品になっていました。

テレビCMの量からも推察できますが、やはりイチオシ製品のようです。

 

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舶来の高級シャツをまねて、リボン(実際は銀紙)が掛けられています。

 

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この手のシャツは、酷いとS、M、L、XLの4種類しか無い事が多いのですが、ネックサイズが1cm毎にあり、さらに裄丈が最大5種類も展開があって、好感が持てます。

 

② 生地の表情、ディテール、縫製

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今回はセミワイドカラーを選びました。

公式サイト上の写真からではわかりにくいのですが、高級感を演出するためでしょうか、ダイヤモンド状の織り柄があることが分かります。

サイトの文字記載も無いため、おとなしめのシャツを期待していると間違えてしまいます。(サイト上に生地の細かい説明や画像が少ないのはマイナスポイントですね……)

 

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このシャツの目玉は、なんと言ってもノーアイロンです。タグにも宣伝文句があります。

 

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シャツの内側です。縫い目はきちんと処理されていて、肌にあたらないようになっています。

 

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チャイナ製ではなくラオス製。縫製もきちんとしています。

 

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ボタンとボタンホール。比較的綺麗な縫製です。

 

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襟は6ミリ程度内側にステッチが施されています。ステッチも安定しています。

 

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カフのカットは小丸、ボタンホールはコンバーチブル(ボタンでもカフリンクス<いわゆるカフスボタン>両用)かつアジャスタブル(2個ボタンで、留める位置を調節可能)です。

 

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背はサイドにタックが入っており、動きやすさに配慮されています。

 

③ 衿

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ここで、トルソーに着せてみると一つ気になったことが……。

ご覧の通り、襟が跳ねている(踊っている)ことです。

このディテールは、人によってはかなり嫌われると思うので、少し掘り下げて調べて見ることにしました。

 



3.襟が跳ねる問題

当初は洗う前と洗った後を比較する簡単なレビューを想定していたのですが、前項の通り、トルソーに着せてみてビックリな状態だったので

  • 襟のハネは取れるか
  • 襟のハネは仕様なのか

について、考えてみます。

① 襟のハネは取れるか

まず、アイロンで襟が直線になるよう試してみたのですが、それでも襟が浮いてしまいました。そこで、金属製のカラーステイ(カラーキーパー)の追加を試してみます。

 

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もともと、プラスチック製のカラーステイが入っていますが……

 

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幸い、カラーステイは取り外し式になっていたので、このように追加でいれることが出来ました。

 

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その結果がこちら。向かって右側(左襟)が追加カラーステイ入り、反対側がなしです。

 

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両襟に追加したところ。なんとか着地してくれました。

ただ、よく見ると、セミワイドにしては、開きが小さくなってしまった気もします……。

 

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タイドアップした状態。体のラインに沿ったカットにはなっています。

 

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ジャケットを着せてみました。

ということで、金属製のカラーステイを追加すれば、ハネは取れるということが分かりました。

② 襟のハネは仕様なのか

もう一つの疑問も考えてみます。

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第一ボタンを開けて着るのであれば良いのですが、ご覧の通りタイドアップするとウイングカラーの様になってしまいます。個人的にはあまり好きなディテールではありません。

 

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ジャケットを着ても、シャツの襟が自己主張を……。

洗濯+アイロンやカラーステイでなんとかしろ、と言う事なのかと思ったのですが、2回目にテレビCMを見てびっくり。なんと、CM内の着用イメージも、跳ねた襟だったのです。

 

30.mp4_snapshot_00.15_[2016.09.24_13.06.54]
出典:http://www.itoyokado.co.jp/movie/index.html

こちらがそのCMのキャプチャ画像です。よく見ると……

 

30.mp4_snapshot_00.22_[2016.09.24_13.06.05]
出典:
http://www.itoyokado.co.jp/movie/index.html

浮いている!

と言う事で、襟のハネは販売(製造)サイドが想定したとおり――つまり仕様、と言う事が分かります。

襟はハネていてはいけない?

こういったディテールは人の好みや流行に左右される側面もあり、絶対ハネてはいけない、と私には言い切れません。

たとえば、昔の写真を見ると跳ねている襟を見かけることがありますし、スタイリストがついているはずのテレビ出演者の襟がハネている事も有ります。また、このタイプの襟は、元々スタンドカラー(立ち襟)だったモノが折り返されただけなので、ウイングカラーの様に過渡期には当然ハネていた事でしょう。

ただ、私は三つ揃い(スリーピース)を着ることが多く、ウェストコート(ベスト)の襟にシャツがのってしまうのがイヤなので、襟は鎖骨の部分に沿って止まる方が美しいと考える派です。

この記事をご覧の皆さんはどう考えますか?

(参考)襟が着地しているシャツの例

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4.外観レビュー(洗濯後)

さて、気を取り直して、洗いざらしでどの様な状態になるか確認してみましょう。

① 洗濯

通常のドラム式洗濯機のお任せモードで洗いました。

ただし、脱水は1分に指定し、終了したらすぐに取り出してハンガーに掛け、陰干しします。

② 全体の状態

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この通り、ポケットに若干シワが入っていますが、それ以外は驚くほど綺麗で、綿100%とは思えません。また背中は綺麗なドレープが入るほど、しなやかな風合いです。

 

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このくらい軟らかい生地(公称100番双糸)だと、前立て(前のボタンがついている部分)にシワやヨレが発生しやすいのですが、それもありません。

 

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少し襟にウキがありました。近くで見ないと分からないくらいですが、このくらいは仕方が無いでしょう。

 

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▲ 洗濯前(追加カラーステイ無し)

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▲ 洗濯後(追加カラーステイ無し)

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▲ 洗濯前(追加カラーステイ有り)

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▲ 洗濯後(追加カラーステイ有り)

この様に、洗濯の有無は殆どわかりません。

洗濯後も生地の質感が良く、さらに袖やプリーツ部分などはきちんとプレスされているようにも見えるため、ノーアイロンシャツにはまず見えません。(少なくとも、ポリ混紡のノーアイロンに比べると、格段に質感が良いです。)

 

5.着心地

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滑りが良い100番2plyの生地

さすがに100番2plyを謳うだけあって、また縫製も一般的な格安シャツから比べると格段に良く、着心地は上々です。

通気性は期待できない

ただ、(これはノーアイロンシャツの宿命でもありますが)通気性が一般的なシャツに比べて劣るので、夏場は向かないでしょう。

襟は固め

襟やカフの芯地は比較的硬いです。軟らかい襟に慣れている人にとっては少し窮屈に感じるかも知れません。ただ、個人的には許容範囲内というか、むしろこちらの方が好みです。

 

6.総評

最後に、良いところと要改善ポイントをまとめてみます。

<良いところ>

  • 外国製にしては、縫製がしっかりしている
  • 生地に上品な光沢感がある
  • サイズ展開が多い
  • 広告に偽りなしのノーアイロン性
  • ノーアイロンなのに綿100%

<要改善ポイント>

  • 襟が跳ねる
  • 通気性が悪い
  • サイト上に細かい説明が少ない
  • マットな生地のラインナップが欲しい

 

いわゆる高級シャツにあるディテールはありませんが、襟ハネ以外はドレスシャツに求められる基本的な水準を満たしているように感じます。

追加カラーステイでなんとかなるものの、襟ハネ問題さえなければ、優秀なシャツになりそうです。

たとえば、宿泊出張や、アイロン掛けが苦手な方の一人暮らしには役に立ちそうですね。

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5 コメント on "「セブンプレミアム超形態安定100番双糸シャツ」を試す"

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素晴らしい観点と美しい画像でのレビューをありがとうございます。いつも記事を読むことが楽しくなります。
さて、私もびっくりしたのが、綿100%でノーアイロンを達成したところですね。
私的には、生地の風合いがダイレクトに見えて好みです。
カラーの跳ねは、仕様らしいですが、こちらは好みではありません。
残念なのは、首周りと袖丈との既成サイズが、私の体型に合わないことです。
記事とは直接関係ありませんが、羨ましいことは、トルソーが自宅にあるってことでしょうか。
では。

このシャツに限らず、イトーヨーカドーにはなかなか侮れない品物があると思います。
現在はラインナップからなくなってしまいましたが、200双マイクロツイルシャツを5000円で出してきたことには仰天しました。仕様もカミチャニスタと同等です。
展開サイズも豊富で有難かったです。

もっとも、客層とは合わずまったく売れていなかったようですが…

追伸:
ドレスシャツ生地には3PLY、4PLYがないとおっしゃっておりましたが、少々勇み足かと思います。
有名所では、ALUMOに3PLYがあります。
鎌倉シャツの300番手も4PLYですね。
以前リングジャケット別注のマスターシードコットン生地にも160番手3PLYがあったと記憶しております。

御返信ありがとうございます。

御指摘のとおり、CHOYAの買収・子会社化の時期から山喜製造のシャツのクオリティは格段に良くなっていると感じます。

イタリアンクラシコディテールを売りにした「Artesano」というブランドをイトーヨーカドーが展開していたことがありましたが、シャツに関しては山喜の海外縫製(インドネシア製造)でした。

購入してみた所、カミチャニスタ等を非常に意識した仕様でした。
縫製品質も良く、生地もCHOYAが良く使用しているガス糸の物(100双の記載有)と推察されました。

CHOYA自体が海外縫製の品質管理に優れていたのも一因なのかな、と思っております。

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