香水

シーンと季節で考える、男性向け香水の選び方

投稿日:平成27年(2015) 12月13日 

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今年9月に行った、男性用香水のアンケートのコメントで多かったのが、どの様に香水を選べば良いのか、初心者向けのオススメの香水は何か、という質問でした。

従来は、店舗で実際に嗅いでみて下さい、量り売りで少量買って試してみて下さい、といった事を推奨してきましたが、そもそも試す香水をどの様に目星を付けたら良いのかが分からない、という障壁があることが分かりました。

そこで今回は、香水を試す前の、目星を付ける段階にフォーカスします。フレームワークといった程のものではないですが、香水を種類分けすることで、自分に合った一本を選ぶことが出来るのでは無いかと考えています。

 

0.香水を分類する

ここで言う分類とは、賦香率による香水の種類(パルファム、オーデトワレ、コロン等)の話では無く、香りの傾向による分類を指します。

  1. 男性向け/女性向け/両用
  2. 日中用/夜用
  3. 春用/夏用/秋用/冬用

主に、上記観点からの分類を言います。

それぞれの特性を理解し、ふるいに掛け合致する香水の中から探すことで、自分の目的や好みに合った香水に、早くたどり着くことが出来ます。

好きなブランドや香水瓶の美しさからアタリをつける方法も否定しませんが、自分の感性は完璧だと思う方以外は試してみて下さい。(何れの方法でも、最終的には試香紙や自身に付けて試すことが必要です。試す候補をどの様に探すか、という観点での話とご理解下さい。)

 

1.男性向け/女性向け/両用

大抵の香水には、対象となる性別が書いてあります。

男性用香水の商品名

たとえば有名どころで言うと「ブルガリ プールオム EDT」。この商品名を分解すると、「ブルガリ」というブランドの、「プールオム」Pour Homme(=for men)つまり男性用の、EDT(=Eau de Toilette)つまりオーデトワレ(賦香率5~10%程度、3~4時間持続する香り)という情報が読み取れます。

この例ではフランス語でしたが、イタリア語「Uomo」、英語「for Men」、ドイツ語「Männer」等が、いずれも男性用香水を指し、商品名に入っていることが殆どです。

百貨店では男性用と女性用で陳列が分かれていることが多いですが、通販では混在して売っていることが殆どなので、知っておくと便利です。

ユニセックスもある

一方で、ユニセックスの香水もあります。男性用はすこしオラオラな感じがしてどうも……と言う方にはオススメです。

たとえばクリードのベチバーなどは、本国では「Original Vetiver Creed for women and men」という名称で販売されており、ユニセックスな香水の一つです。

パートナーと共同で使えるというメリットもあると思います。

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2.日中用/夜用

日本の、とりわけ男性用香水ではこの観点で語られることが少ないのですが、海外ではメジャーなうえ、サラリーマンがとても参考にしやすいのでご紹介します。なぜなら、この日中用と夜用という考え方は、会社用とアフターファイブ用と言い換えることが出来るからです。

つまり、自分がどのシーンで付けていきたいのかの希望があれば、この観点でターゲットを絞ることが出来ます。

探し方

店頭で販売員に伝えるのも良い方法ですが、海外の香水ファンサイトを参照するのも手っ取り早くてオススメです。参考になるのは、FRAGRANTICA.com(http://www.fragrantica.com)あたりでしょうか。

たとえば、先ほど例に挙げたブルガリ プールオム。これをこのサイトで検索すると、

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上記の画面が表示されます。ここで、赤い点線で囲った部分が日中用か夜用かを表していて、この香水は日中向きであることが分かります(得点は、あくまで利用ユーザの評価で成り立っています。また、投票数が少ないときは評価がぶれる事があるので、他のサイトも確認してみて下さい)。

同じブルガリでもレザーの香りで有名な「ブルガリ ブラック」は以下の評価でした。

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この様に、夜用という評価が多数です。

 

それぞれの特徴

香りですので、昼用夜用にどの様な特徴があるか言い表しづらいのですが、簡単に言うと、昼用はさわやかで万人受けする様な香りが多く、夜用は濃厚で官能的な香りが多くなります。

夜のイベントに昼用を付けていくのは全く問題無いと思いますが、会社に夜用の香水を付けていくのには勇気が要るかも知れません。また、夏場の日中に夜用と評価されている香水を付けると、香害化する恐れが高いので、場所と使う量には十分気をつけて下さい……。

 

3.春用/夏用/秋用/冬用

昼用、夜用という二分法では無く、春夏秋冬で4つに分類する考えもあります。

香水がイメージさせる季節

香水には、その香水がイメージする季節が有ります(または、あることが多いです)。たとえば、これからの季節をイメージする香水を買う、自分が好きな季節の香水を買う、などといった選び方が出来ます。

香水が表現する季節は、パッケージや香水瓶のデザインや色に表されることが多いです。たとえば、かつて一世を風靡した(?)、「ダビドフ クールウォーター」は、海と水しぶきと水着姿の男性がイメージです。

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画像出典:Zino Davidoff 公式サイト

これは明らかに夏をイメージしていますし、香りもミントやローズマリーなど、さわやかな印象が強いものです。

そして、前項で例示したベチバーを含む、草や緑色のイメージが強い香水は春を、ブラウンや濃い灰色は秋や冬を……と、色でもある程度の印象をつかむことが出来ます。

なお、先ほどご紹介したFRAGRANTICAのサイトを見ると、ユーザが投稿した「この香水はこの季節に似合う!」という評価があるので、参考にしてみて下さい。

昼用/夜用との共通点

実は、「昼用かつ冬用」という香水は少ないです。というのも、秋冬用はウッディな香りが好まれることが多く、これは夜用の香水と同じ傾向だからです。

逆に、昼用として好まれるさわやかな香りは、春夏用としても人気が高くなります。まぁ、気温が高い:昼:春夏、気温が低い:夜:秋冬という整理が分かりやすいかも知れません。

一年を通して同じ香水でも良いですが、季節によって香りを替えたり、自分が好きな季節の香りを探すのも面白いと思いますので、ぜひ試してみて下さい。(私は、通年で使う好きな香りもありますし、時期限定で使っている香りもあります。)

 

4.おわりに

以上はあくまで「選び方」であって、冒頭の「初心者にオススメの香水はなにか」のダイレクトな答えになっておらずスミマセン。そこで、一番最初の香水を選ぶなら……ということで、すがすがしい昼用の香りがマッチする春用の香水から一本選んでみました。

(ただし、香りの好みはとても個人差がある上に、個人の体温や体臭によっても香り方が違うので、その点はご了承下さい。)

最初の一本にオススメの香水

ゲランのベチバー

まさに「春」を感じさせる香りです。メインは名前の通りベチバーの香りですが、後からベルガモットやレモン、セージの香りがします。春の草原といったイメージですが、いわゆるキュウリ臭が全くしないので、瓜科の匂いが苦手な方でも大丈夫です。

私はベチバーの香りが好きで他メーカーの物も何種類か持っているのですが、一番のお気に入りです。春らしい香りですが、通年で使用出来ます(しています)。価格は若干高めですが、香りがキツ過ぎることがなく、初めての人にもお勧めです(逆に、持続性が無いという欠点にもなりますが、それを帳消しにするほど良い香りです)。

※ 価格面でもう少し安い物を、と言う事であれば、以前ご紹介したバナナリパブリックのクラシックが(30代も後半になると似合わないかも知れませんが、20代でしたら)オススメです。

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そのほか、夏にはディオールのデューン、と言った具合に、季節毎にオススメの香りがまだまだあるのですが、字数の関係でご紹介は又の機会にしたいと思います……。

皆さんに、お気に入りの香りが見つかれば幸いです。

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